PayPayカード ゴールドへ安易に手を出してはいけない理由
PayPayカード ゴールドの紹介ページには以下のような記載がある。
PayPayカード ゴールドは条件なしで1.5%還元のため、月7万円=年間96万円使えば年会費(税込11,000円)以上の12,600円分がPayPayポイント還元となりますよ、という説明なのだけど。
この説明、鵜呑みにするのはちょっと待ってほしい。
そもそも、「年会費無料のPayPayカード」であっても1%ポイント還元があるのだ。
赤下線部の1.0%還元は年会費無料のPayPayカードで貰えるのである。一方でPayPayカード ゴールドの加算分はあくまで黄色下線部分の0.5%でしかない。
と、いうことは月7万円=年間96万円利用した時、PayPayカード ゴールドにするメリットは96万円×0.5%=4,200円しかない。
PayPayカード | PayPayカード ゴールド | |
---|---|---|
年会費 | 無料 | 11,000円 |
月96万円支払時の還元額 | 8,400円 | 8,400円+4,200円 |
11,000円払って得たポイントは 4,200円 。
・・・おとくじゃないじゃん!
【目次】
PayPayカード ゴールドで元を取るためには
一応(?)PayPayカード ゴールドはPayPayカードに比べて様々な特典がある*1。
PayPayカード ゴールドの特典まとめ
サービス | 詳細 | 条件等 |
---|---|---|
SB回線 | 支払額から最大10% | 1,000円単位、端数切捨て。家族名義は対象外 |
YM回線 | 支払額から最大3% | 1,000円単位、端数切捨て。家族名義は対象外 |
SB光/Air | 支払額から最大10% | 200円単位、端数切捨て。モバイル回線合算請求時のみ適用 |
SBでんき | 支払額から最大3% | 200円単位、端数切捨て。モバイル回線合算請求時のみ適用 |
Yahoo!ショッピング、LOHACO | 支払額(税抜)から毎日3%プラス*2 | 上限5,000円/月 |
Yahoo!ショッピング | 支払額(税抜)から毎日2%プラス | 上限5,000円/月、LYPプレミアム特典 |
LINEスタンプ | 使い放題 | LYPプレミアム特典 |
LINEアルバム | 動画・オリジナル画質対応 | LYPプレミアム特典 |
保険 | ショッピングガード保険 | 年間最大300万円*3 |
保険 | 国内・海外旅行保険 | 国内旅行はPayPayカード ゴールド支払いに限る(海外は自動附帯) |
その他 | ETCカード年会費無料 | |
その他 | 国内主要ラウンジ利用可能 |
なお、Yahoo!ショッピング、LOHACO等一部サービス支払いはPayPayカード ゴールドのPayPayステップ通常加算(+0.5%)が適用されない*4。ちなみにSB/YM/LINEMOの携帯電話サービスはPayPayステップそのものが適用されない。
おとくのボーダーライン
ターゲットは年会費の11,000円(税込)/12ヶ月。1ヶ月にするとおおよそ920円/月となる。
特典を駆使して毎月920円のポイント還元が得られれば「トントン」だ。
SB回線で元を取る
10%還元対象は1,000円未満切り捨てというデメリットを抱えつつ、モバイル回線は複数契約することもあるだろうからこれが一番手取り早い*5。
月1万円以上の携帯料金支払い(1,000円分のポイント還元)が確定している場合は元が取れる=おとくと言える。
SB光/Air回線で元を取る
SB(モバイル)回線同様に10%還元となるため、年額11,000円の元を取るには月10,000円以上の支払いが必要だ。条件(戸建て/集合住宅、1Gbps/10Gbps)で異なるがSB光もAirも大体4,000〜6,000円台かと思うので、これだけで元を取るのは難しい(光回線とAirを両方契約していれば別だけど、ちょっとその契約が適切なケースが思いつかない。単身赴任とかだろうか)。
現実的な路線はSB回線+SB光/Airという「合わせ技」で、これであればおおよそどの組み合わせで元が取れるはずだ*6。
その他モバイルSB回線と異なる特徴として、こちらは 200円ごとに10%還元 となる。他の還元策と組み合わせれば、元を取るのは案外難しくないかもしれない。
YM回線契約で元を取る
1,000円単位で3%しか付与しないワイモバイル回線の場合、単独で元を取ることは不可能に近い(というか、元が取れるほど支払額が上がるならSB回線にした方が良い気がする)。
月額31,000円を越すことができるならよいが*7、端末代も対象外となる中で*8実現するためには、シンプル2Lプランをオプション全盛にして10,000円弱…を3回線以上とすることになり、非現実的だ。
例えばシンプル2Sプランの月額2,365円で月60円=年720円分の還元を得た上、他の還元策と組み合わせるのが吉と言えるだろう。
SBでんきで元を取る
近年は天井知らずの電気代、還元は3%とはいえ200円単位の計算になるためじわじわ効く。単身世帯のワンルームならいざ知らず、エアコンが2基以上あるご家庭は夏冬でだいぶ家計を圧迫しているのではないだろうか(我が家は、地味に圧迫してます。。)。
季節で増減はあるだろうけれども、平均して月額10,000円なら3%=300円。ターゲット額920円の3割に相当する。SB回線で月額7,000円支払っていれば(=700円還元されていれば)十分にボーダーラインを超えられる。
Yahoo!ショッピングで元を取る
Yahoo!ショッピングでは通常より+3%+2%=+5%の加算が入る。対象は税抜きとは言え20円単位で還元されるのでなかなかおいしい…
と思うのは罠だ。
実はこの還元、PayPayカード ゴールドである必要がない。
「毎日もらえる」3%還元は年会費無料のPayPayカードでよく、ゴールドの特典とは言えない。
LYPプレミアム特典はSB or YM回線を契約していれば自動的に付与される。
仮にLINEMOや他社回線を利用する場合であれば恩恵と言えるけれども、2%の付与率で11,000円の年会費分を取ろうとすると年間合計で550,000円、月46,000円程度の支払いが必要だ。もちろんコンスタントにその程度買い物しているなら選択肢として十分にあり得るけれども…
結局、PayPayカード ゴールドは誰のためのサービスなのか
様々なパターンが考えられるけれども、ざっくりした試算だと以下だろうか。
ソフトバンク回線(モバイル・固定)で毎月10,000円以上の支払いがある人
ソフトバンク回線(モバイル・固定)で毎月7,000円程度、YM回線+SBでんきで毎月10,000円以上の支払いがある人
ソフトバンク回線(モバイル・固定)で毎月5,000円程度、Yahoo!ショッピング 以外 で月84,000円以上*9の支払いがある人
実際は回線費用に家族割を適用したり、(今回はあまり触れなかったけれど)PayPayクーポンの割引を利用しつつ日々の買い物でPayPayステップの0.5%を貯めていく運用になると思う。考えてみたらPayPayステップの最大2%付与条件も「月間支払額10万円以上」ですしね。
とりあえず、もしPayPayユーザーでゴールド化を検討している方には「まず落ち着いて」「先月までの家計簿を眺めて」「本当にお得になりそうか考える」ことをお勧めします。年会費無料のPayPayカードでも大抵の還元は受けられますので、拙速な判断は避けるが吉ですよ(と、「まぁ元くらい取れるっしょ」と簡単に考えて切り替えてしまった者より)。
*1:PayPayカード ゴールドでPayPayがおトクに - PayPay
*3:国内・海外旅行保険、ショッピングガード保険 - PayPayカードの使い方 | PayPayカード
*4:PayPayステップ - キャッシュレス決済のPayPay
*5:ただし家族名義の回線は対象外で、回線契約はPayPayカード ゴールドと同一名義にしなければならない
*6:とは言え例えばモバイル側の契約が「ミニフィット+」のみの場合、おうち割光セットが適用され月2,000円台になるためSB光/Airと組み合わせても月額支払いが10,000円以下となり元は取れない
*7:年会費(11,000円)の月額相当分920円÷還元率3%で試算
*8:端末代が対象外になるのはSB回線でも同様
*9:回線支払額からの還元を除いた5,000円分を、PayPayカード ゴールドのPayPayステップ0.5%上乗せ分でまかなう=100万円÷12ヶ月と試算した場合